顔には殴られた痕がある。
蒼空は起きる気配がない。
いつもは長袖で隠れてる腕を
見れるかもしれない。
俺はおそるおそる長袖に
手を伸ばした。
「おい!誰だ!!」
びっくりして手をひっこめた。
目の前に立っている男は
顔が整ってるいわばイケメンだ。
そのイケメンが手にしていたのは
薬局の袋だった。
こいつが殴ったんじゃない。
そう思うと少し体の力が抜けた。
「あの、蒼空は何で…」
「!!あぁ蒼空の先輩?」
「知ってるんすか?」
「この前体育の時声かけてただろ」
じゃあこの男も同じ学校か。
男は優しく蒼空の頬に触れて
あーあ、と呟いていた。
