唇が離れる。 コウが私の腕を隠す袖を捲る。 「…傷、増えてる」 その傷に優しく口づける。 「…あっ…」 手首に赤い模様ができた。 コウは目線をあげると にやっと少し意地悪な顔をした。 「おまじない。お前が自分を 傷つけないように。お前が他人に 傷つけられないように。」 お兄ちゃんはお前がいつも 心配だよ、そう言い残して 校舎の中に消えていった。