名前を教えてくれた瞬間から
先輩はあの時とは違って
本当に優しかった。
私 を見てくれる。
たったそれだけのことなのに
私にはすごく温かい。
「蒼空!」
体育の時間、上からそんな
声が降ってきた。
その声の主は先輩だ。
「先輩。」
「次体育かぁ?」
「見ての通りですけど」
と体操服を強調して見せた。
私はやっぱりどんなに暑くても
長袖を着る。
見られたくないものがある。
そのためだけに。
「あちーからな、倒れんなよ!」
先輩はにかっと笑うと窓から
見えなくなった。
たったそれを言うためだけに
呼んだの…?
変なの…。
