…安田 蓮。



彼ははさっきとは違う顔つきで
見つめながらそう言った。



あぁ、やっと私の身体じゃなくて 
私を見てくれた。



「安田、先輩」

「…え、蒼空ちゃん年下なの?」

「服に付いてるバッチの色。」


学校の制服にはバッチが付いていて、
私達1年は赤色、先輩達2年は青色
と、学年が分かるようになっている。


だから先輩と初めて会った時
既に年上ってわかってた。




昨日の事は忘れよう。

その方がきっとお互いのためだね。



「はじめまして、安田先輩。
 これからよろしくお願いしますね」


先輩は少し腑に落ちない様子
だったけど、小さく頷いた。