茫然とする私を余所に、砂原クンが微苦笑で羽柴クンに言う。 「おい~?」 「あ?言ったろ?弁当の礼・・・俺こう見えて律儀だかんな。」 羽柴クンの笑い声も遠くに聞こえる。 お弁当のお礼って・・・ お弁当はイチゴオレのお礼で・・・ って、そうじゃなく!! キス・・・ ほっぺに・・・ 羽柴クンが・・・ カーッとつま先から頭まで熱くなる。 驚き過ぎて、悲しいわけでもないのに、涙が滲んできて。 「・・・あ!?里中っ――――」 パニックの絶頂で、私は教室を飛び出した。