屋上に着くとやっぱり誰もいなかった。
近くのいすに腰を掛けると同時にチャイムが鳴る…1限目が始まった。
前の地味子では慌てて教室に戻って教科書を開くだろうけど、今は慌てることも、教科書を開くこともあまりしなくなった。
――キィィィィィー…
すると屋上のドアが開き、私は振り返る。
屋上に来るのはほとんど龍毅の奴らだから旭が来たのかと少し期待してしまった…。
「やっぱ、ココにいたんだ。」
でもそこにいたのは旭でも、龍毅のみんなでもなく……安西翔平だった。
「何?ココにいちゃ、いけない?」
「やっぱ怖いね、紗莉那は。」
すると、彼は少し睨むようにして私を見た。
「…何よ?」
