5年前のことを思い出してしまって体が震えだした。 ――ミシッミシッ その音は段々大きくなってきて、私に近づいてくる。 「…やだっ…やめて…っ!」 私は怖くなって目をギュッと瞑り、顔を下に向けた。 やだ…やだやだ…怖いっ! ――ガシっ 私は誰かに腕を掴まれた。 「きゃーーーっ!」 私はその手を振り払い、逆の方向に走り出した。 ――バシッ でもすぐに手を掴まれてしまった。 「紗莉那っ!俺だよっ……!!」