歩くとき、彼は私の歩幅に合わせて歩いてくれた。
なんだこいつ、意外と優しいことするじゃん。
つい口元が緩む。
気付けば自転車置き場。
「…旭って自転車通学?」
「んなわけねぇだろ。ちょっと待ってろ。」
そう言って旭は奥の方からバイクを持ってきた。
…バイクで通学ってこの学校ありだったっけ?
にしても、普通。
龍毅の総長は黒のバイク乗ってなかった?
なんかすっごく派手じゃなかった?
今、目の前にあるバイクはグレー色でなんか本当に普通。
「なんだよ。」
「いや…龍毅の総長だからもっと派手なバイクかと思ってて…。」
「これ通学用。」
通学用ね。
