…頭、いた…。
ここ、どこ?

知らない部屋。
あの男たちの部屋かな。

「あら、起きたのね。」

「…誰?」

目の前には知らない女の人。
長い髪を緩く括っていて綺麗な着物を着ている。
一言で表せば綺麗な人。

「私は神崎 葵よ。」

「…瀬伊 翠です。
 あの、ここは?」

さっきから疑問に思っていることを神崎さんに聞く。

「ここは神崎組って言う、ヤクザよ。」

やくざ…やく、ざ…ヤクザ?
私、売られたのかな。

「私…売られたんですか?」

「違うわ。」

え?
じゃあ、どうしてヤクザに…

「翠ちゃんが居たのは遠山組って言う組だったの。それで、翠ちゃんを見つけて、連れてきたの。」

そう、だったんだ。
あれ?
でもなんで?

「何で遠山組?に居たんですか?」

「ふふ。内緒。」

綺麗に笑う神崎さん。
なんか…聞いちゃいけない気がする。
うん。聞かないで置こう。