「あのさ…」
「じゃー何?完璧に昔の俺と空を重ねて無いって言い切れんのかよ?」
空君の言葉に重ねる様にして
海って人がそう言った。
「そんな事…」
無いって言えんの?
私…
「ごめん…っ‼私、帰るね…‼」
「ゆ、由愛っ!?」
空君の部屋を出てから
走って走って走りまくった。
だって、怖かったんだもん。
私が出て行く時に降ろされた
海君の視線が。
普通にしてたら完璧に
空君と間違えてしまうような顔立ち。
だから、一瞬なら、
顔しか見てなかったら
空君だと錯覚してしまう。
海君が
空君に見えて怖かった。

