相手が刃物を持っていたなんて…


今、考えたらゾッとした。



制服は汚れてるけど、結衣は倒されただけで、何もされてなかったから、それはホッとした。



俺の忠告を素直に聞けば、こんなコトにならなかったのに。



「ありがとう~樹也」



結衣は少し上目づかいで、俺を見つめて礼を言った。



ドキッ


心臓の鼓動が跳ね上がった。
俺は一瞬、言葉に詰まる。



「・・・ん、あ…何もされてなくてよかった」