悠ちゃんと指定された教室に入る。
顔見知りや友達もいれば、はなしたことも無い人もいる。
憂は人見知りな方であまり積極的に話しかける方でもなかったが、数日後には自然とクラスに打ち解けていた。
気づけば季節は6月になっていた。
「うーいちゃん♪」
「伊織、どーした?」
伊織は悠ちゃんの友達で、席が近い事からすぐに仲良くなった。
ふわふわボブが可愛いく、スタイルもいいし男子からも評判の女の子。
(あたしが男だったら絶対に惚れてる‥!!)
と自信が持てるぐらいの可愛さ。
「もうすぐ体育祭だよー!体育祭!!」
「あ‥」
嬉しそうに話す伊織とは対照的に憂は嫌そうな顔をした。
憂は根っからの運動オンチで、マラソンも下から数えた方が早いし、球技だってろくにできた試しがない。
