「知らないよ」


「え!? 嘘!! ホントに!?」


イケメンに聞こえないようになのか、悠ちゃんは少し小声で言う。



「うん、ホント」


「あの人、学校で一番イケメンの高城くんだって」


「タカシロくん?」


「名前聞いても分かんないのー!? どんだけ興味ないのよ!!」


「聞いたことはある‥‥かも?」



憂の記憶から〝タカシロ〟という言葉を検索する。



一件、ヒットした。




高校1年の時にクラスの友達が彼氏ができたって騒いでたのを思い出した。





その名前が──‥タカシロレン。