「なんでそこまで否定するのよー? いいじゃん妄想しても」 「しなくていいから」 自分でも分からなかった。 こんなに高城くんを否定している理由が。 彼が悪い人じゃないのは分かっている。 でも、関わっちゃダメな気がした。 自分が〝特別〟だなんて思っちゃダメだ。 関わると戻れないのが分かっていたのに、気づいていたのに、関わってしまった。 次に気づくのは少し後。 6月中旬、高校3年生にして、憂は学校一のイケメン 高城 蓮の唯一の女友達になったのだった。