「かなこっ!!かなこっ!!たけるっ!!」 「おいおいアンタアブねーって。」 そんな騒然とする中、一層悲痛な叫び声が聞こえた。 「どうしたんですか?」 ビルの遠方で通せんぼさせられている女性が目についた。 「かなこが……っ…… 主人が………いや…いやっ!!」 「アンタも手伝ってくれ。どうやら娘が居ないことに気づいた旦那がまた建物の中入って戻って来ないんだとさ。」 「…………」