ほっと一息する時に【短編集】



それでもコイツは俺に生き方を教えてくれた。


変われることを教えてくれた。


そして俺は普通に働けることを知った。




「あーあー気分が冷めちゃった。」




俺は元から冷めてるっつの。




「帰るか?」


「そうね。じゃあ、会計は私が。」


「いいよ。払う。」


「じゃ、割り勘ねー」




コイツは絶対に俺に奢らせない。
何年も付き合ってるが、一度もなかった。