ほっと一息する時に【短編集】




ビンいっぱいの桜を抱え、弟のいる病室に戻ると何故か仕事だったはずの両親が居た。




「直(ナオ)!直!」




ママがいっぱい泣いている――…


パパも…顔に手を当ててママと一緒にしゃがみ込んでいる――…




戻った始めは何が起こったのか分からなかった。


でも、ベッドに近づいて……



触れた弟の手の冷たさを感じ―――…




―――私は分かった。




弟が遠くへ行っちゃったんだ………って。