そう、俺は友姫がいなきゃ生きていけないんだ…。
そう初めて思ったのは今から10年くらい前の事。
その頃は毎日のように友姫と遊んでいた。
隣に住んでいたというのもあるけど、特に気の合う女の子って感じだったからっていうのがその頃の俺の友姫に対する気持ちだと思っていた。
そんなある日、俺の父親の転勤が決まり場所が遠くなるからと引っ越しをすることになった。
引っ越しするのは嫌だとは思ったけど、親に反対しても意味がないことくらい分かっていたから、特に反対はしなかった。
今思えば、あの頃もっとしっかり反対すればよかったと思う時もあるんだけどね…。
父親の転勤とはいっても一時的なものですぐに帰ってこれるということで、友姫に挨拶をしないで引っ越しをした。
でも、俺は、引っ越しをして初めて気付いたんだ…、友姫は俺の中ですでに、すごく大きくなっていたことに。
会いたくてしょうがなかった。
早く会ってまた前みたいに一緒に遊びたいと強く思っていた。
でも、まだ小さかった俺はどうすることも出来なかった。
ただ、ひたすら父親の転勤を願うことしか出来なかった。

