こういうときは、素直に分かりませんと言うべきか。うん。言うべきだ!
そう思って言おうと思ったとき…
スッと目の前に小さい紙切れが置かれた。
その紙には『x=3-9y』とだけ書いてあった。
その紙の差出人は隣のやつらしい…。
答えなのかな…？
「咲島さん、分かんないのかー？」
げっ!
「えっとー…」
どうしよう…？
そしたら隣のやつがさっきの紙をトントン叩いてる。
やっぱり読めってことなのかも…。
「x=3-9y…？」
「正解。寝てたのによく分かったな。」
と言いながらニヤニヤ笑う先生…。
わかってなかったのバレてるか。
でも、教えてくれた気持ちは嬉しかったし
「あ、ありがとう。」
一応隣のやつにお礼を言っておく。
名前は…、忘れたけど。
「いーえ。どーいたしまして。…でも、少しは勉強したら？あと、俺の名前覚えてねぇだろ。」
うっ。
いろいろと痛いところをつきますなぁ。
でも、言われっぱなしはなんか、腹たつし…
「名前は…、ごめん、覚えてない…。でも！私あんたが思ってるほどバカじゃないかもよ？」
