*
一人だと思っていた。
心の底は、いつでも。
先輩に恋をしていること。
誰にも言えなかった。
もちろん、梨花には言えなかった。
私は、先輩のことが、本当に好きだった。
…きっと梨花も、先輩のことが好きだと思う。
でも、私は、先輩と梨花が両思いだということを、知ってしまった。
―正確には、私の単なる思い込みだったのだけれど。
その単なる思い込みのせいで、
私は梨花のことを、
勝手に悪者にしていた。
親友だったのに。
いつも元気づけてくれたのに。
本当に、わがままだ。
自分の幸せしか考えてないじゃないか。

