「―何て、話しかけるの」

「…名前でしょ、まずは」

「誰がきくの」

「もちろん、茜が」

「私っ?…嫌だよ」

「ここは、優しい茜が行ったほうがいいって」

「いや、梨花のほうがフレンドリーじゃん」



「――あの…すいません」



「「えっ?」」



細い声がしたほうを梨花と同時に見ると、ポニーテールの女の子もこちらを向いていた。
…変な人たちだと思われたか。うるさいと文句をつけられるか。

そう考えて、身構えていると、



「あの…前回の授業、どんなことやりましたか?」



「え、」
「へっ?」



予想外の言葉。

梨花もそう思ったみたいで、二人そろって変な声を出してしまった。