どうでもいい。




そう思えるくらい、幸せだった。

何を気にするでもなく、
何を警戒するでもなく、

ただ、その短い時を過ごせたことが
幸せだった。



決して言葉に表すことのできない、ゆるくやさしい時間。

小さな箱の中に、先輩と私。


先輩を心ごと独り占めしたような、そんな錯覚に陥る。



そのときの画面は、切り取られて。
そこにだけ虹がかかったような、なんとも言えないもの。






初めて先輩に触れられた瞬間の


あの喉が苦しくなるような感覚がしたのは



恥ずかしいのと
嬉しいのと
ちょっぴり怖いのと
離してほしくないのと




欲張りなカケラが、刺さったから。