先輩と、ふたりぼっち


外階段に出て、6階に。

先輩のいるであろう、6階に…――





「高橋?」


「……っ」




とくん。


胸の奥の方が、跳ねてとたんに苦しくなった。





「なに、してんの?」

「え…いえ、特になにも」

「え?」

「えっ…」



なにこの会話。
でも、自分でなにを言っているのかわからなくて、修正がきかない。



「お前、面白いな」

「え、あ、ありがとうございます」



えっと…今のは褒められたのかな。
うん、褒められたんだよ、きっと。