先輩は、どこかへ行こうとしたのか、ちょうど廊下にでてきたところだった。 私の瞳に、先輩が映る。 エレベーターの中で見た、 夢の中で見た、 先輩が映る。 「…俺が、どうかした?」 「…え、?」 世界が、止まったような気がした。 目の前で、恋焦がれていた先輩が、私に話しかけている。 …ダメだ。 やっぱり、嫌いになんてなれない。 どうしても、好きだ。