あたしは、鏡の中の自分に驚く。
「あたしって、こんな顔してた?!」
あたしの顔は、こともあろうに、まるで童顔のようになっていた。
「優斗凄すぎっ!!杏里ちゃん、一段とドレスが似合ってる」
優里花さんも、あまりの出来の良さに驚いている。
「優斗さん、本当に凄い……」
優斗さんを見れば、満足そうな笑みを零している。
「俺様にかかればちょろいよ」
今なら、偉そうな態度取ってても頷ける。
だって、あたしのこんな凄い変身を、たった30分で終わらせたんだから。
「ほんと、優斗って偉そうよねぇ。あ、あたしもメイクお願い」
今度は優里花さんが、椅子に座る。
「はぁ、面倒だな。何着るんだ?」
その様子は、本当に女優さんみたいだ。
「青のロングドレスよ。だから、華やかなメイクと、髪のセットをお願い」
青のロングドレス…
さっき、チラッと見たけど、すごくスタイルが良くなきゃ、着れないようなドレスだった。
ジーッと、メイクの様子を見ていれば、優斗さんと鏡越しに、目が合った。
その瞬間、フッと微笑む優斗さんは、本当にかっこよすぎる。
そうこうとしているうちに、優里花さんのヘアーメイクも完成した。

