[完]大人の恋の始め方






そんなあたしが似合う気がしなかった。



しかし。


「あら、杏里ちゃんはあたしの目を疑うの?」



え………。


確かに、見立ててくれているのは優里花さんだ。



「ごめんなさい…そんなつもりじゃ」



失礼な事言っちゃったな…。


「全然、私は杏里ちゃんを責めたい訳じゃないのよ?とりあえず、着てみて?」



優里花さんに誘導され、あたしはそのドレスを着てみる。



そして、その姿を優斗さんに見せた。



「優斗さん、どう…?」


あたしを見るなり固まってしまった優斗さん。



………やっぱり似合わない?



「なぁ姉貴。このドレスって、アレだろ…?」



……アレ?


何?アレって……。



「そうよ。さすがは杏里ちゃんだわ」



意味が分からなくて、首を傾げる。



「それは、姉貴が初めてデザインしたドレスなんだよ。」



「えっ?!初めて???」



初めてで、この可愛さ?!
凄いッッ



「私、そのドレスは、かなり自信があったの。でも、失敗作だった」



………え、あたし失敗作着てるの?!



「このドレスは、モデルを太って見せてしまうドレスだったの。原因は、白とハイウエストだって、すぐに分かったわ」



確かに白は、膨張色。
それに、ハイウエストも胸があれば太って見えてしまう。