だいたい、一人暮らしの原因だって、このバカ親たちにある。
~一週間前~
あたしは、リビングにあるソファーで、冷や汗をかいていた。
リビングにケーキと紅茶が揃ったとき、それは、あたしにとって良からぬ事が起きるサインだったのだ。
目の前では、笑顔の両親が仲良く座っている。
まぁ、"仲良く"ならいいんだ。
うちの場合は、それより"デレデレ、ベタベタ"の方が合うかもしれない。
「杏里ちゃん、そこのケーキ、スッゴく美味しいのよ♪ねぇパパ」
語尾にハートを付ける、うちのバカ母。
もう、嫌だ。
「…で?何をしたいの?」
すると、あたしの顔を見て、ニコリと笑う両親。
長年の勘。
たぶん、やばい。