あたしは、この言葉が凄く嬉しかった。
何だか、自分が必要とされている気がして。
憧れの大翔先生に、頼まれるのが、とてつもなく嬉しかった。
「わかりました!頑張って、立候補します」
あたしは、この時、絶対実行委員になろうと心に決めた。
そして、実行委員を決める日。
案の定、立候補が大量になった実行委員。
そのなかに、もちろんあたしもいるわけで。
この時、先生の人気を改めて感じた。
ほとんどの女の子が立候補するなか、先生はあたしを指名した。
ほかの子は、「なんでぇ!?」と文句ブーブーだった。
あとから聞いた話では、大翔先生が担任に頼み込んだということだった。
それからは、ほぼ毎日のように実行委員があった。
あたしは、副委員長になり、主に話し合いのメモ、先生への提出物届け、各学年への連絡を行った。
特に、先生へ提出物を届けるときは、気持ちが浮かれていた。
「杏里、今日も実行委員?」
最近、友美と帰れていない為に、友美は寂しそうな顔をする。
「うん、ゴメンね!」
友美と帰れないって悲しみもあったけど、先生に会える嬉しさがカバーしていた。

