「わー寒い!!」


外気が刺さるような12月。



あたしと友美は、クリスマスプレゼントを買いに、デパ地下に来ていた。


"あの事"は、知っているけど、友美には言っていない。


優斗さんが、言うべきじゃないって。



それは、あたしも思う。



だから、変わらず接してる。



「ねぇ友美?
今年は中島さんと過ごすの?」


時計を見ている友美に、尋ねる。



すると、彼女はクスリと笑った。


「違うよ~。
たぶんもう別れるし」



「へ?」


別れる…?



キョトンとするあたしの頬を、友美は突く。



「杏里なら、"意味"分かるでしょ?」



悲しみと、諦めの交ざったような笑みは、あたしの心を締め付ける。



まさか、分かってる?



核心してるの?



確認したいけど、なんとなく止めた。



「じゃあ、なんでプレゼント…」


「最後、笑顔で別れたいから」



えへへと笑う友美は、弱々しかった。



だからあたしは、見守ることを、心に誓った。



あたしが出来るのは、それだけだから。



「杏里こそ、なにあげるのよ」


「あたし?」


「そお、杏里。
優斗さんならなんでも喜んでくれそうだけど…」