[完]大人の恋の始め方





その瞬間、あたしはあの映像を思い出した。



それは、優斗さんに出逢う少し前。



スタイルのいい二人。



告白。



急ぎ足で、あの場を去った。



あれは、ありすちゃんと、優斗さんだったんだ…。



「そう…、だったんですか」



酷いな、あたし。



ありすちゃんは、フラれてショック受けてるのに、安心してる自分がいる。



「んま、こんな可愛い彼女出来たら、そりゃありすは、相手にされないよねー」



呆れ顔とゆうか、諦め顔とゆうか。



彼女は溜息混じりに、そんなことを口にする。



「いやいやっ!可愛くないです!!

むしろありすちゃんの方がっ…!?」



急にあたしの口を塞ぐのは、優斗さん。



そして、ありすちゃんを見て一言。



「その前に、お前は恋愛対象じゃねえ!」



…はい?



いくら優斗さんでも、そんな言い方ナイ!!



必死に反論しようと思うけど、口から手を離してはくれない。


「ひっどい男ね」


「仕方ないだろ、俺はゲイの趣味がねえんだから」



はい?



とうとうわかんないよ?!

あたし、頭ついていかないよ!?


なに、ゲイって!!


理解不能だよ!?



そんなあたしを置き去りに、会話はどんどん進む。