[完]大人の恋の始め方





「あたしは、友美が今どこにいるか分かりません」



本当だったら、今すぐ友美の元へ行って、助けてあげたい。



でも、あたしに成す術はない。


「そっか…。杏里も知らないのか」



困ったな。と呟く彼。



…情けない。


あたし、たった一人の親友に、何もしてあげられない。



「先生!!!あたし、今日は帰ります」



「え!?」



困惑する大翔先生をよそに、あたしは教官室をあとにした。



教室に戻ると、急いでかばんを準備する。




「おい、杏里。どうした?」



「あ、響くん。悪いんだけど、先生に色んなところが痛いから、帰るって伝えといて!!


じゃ、バイバイ!!!」



あたしは勢いよく、教室を飛び出した。



だから知らない。


響くんが、



「先生、目の前にいるけど…?」


と呟いていたことなんて。



校舎を出ると、友美に電話をかける。



やっぱり、友美の傍にいてあげたい。



何があっても、友美はあたしのたった一人の、親友。



1番の理解者で在りたい。



けれど、友美に電話は繋がらなくて。



「どこにいるんだろっ」



とりあえず、友美の家に行ってみる。