[完]大人の恋の始め方





「失礼します…」



教官室に入ると、大翔先生がソファーに座っている。



他に先生は居なくて、二人きり。



「いきなり呼び出してごめん」



先生は、あたしに12コ入りのチョコレートを差し出した。



「大丈夫ですけど、これは?」



「あげる。杏里に聞きたいことがあるしね」



とりあえずチョコレートを受け取る。



「なんですか?」



あたしが尋ねると、先生はちょっと難しそうな表情を浮かべた。



そしてコーヒーを一口飲む。



あたしは何と無く、嫌な予感がした。



「実は、佐藤のことなんだ」



……まさか、中島蓮くんとの交際がバレた?



ドギマギとしていると、先生は一枚の写真をあたしに見せた。



「これは…?」



それを受け取り、写っている人物を確認する。



…………え



「ラブホテルに入る佐藤友美の姿だ」



確かに、写っているのは紛れも無く友美の姿。



かなりケバい化粧をしているけど、簡単に友美だと分かってしまう。



「先生、これどうしたの…?」



写真を握り締め、問い詰める。


「今朝、学校に送られて来たんだ。

宛名も分からないし、誰が撮ったのかも分からない。
だが、それは佐藤だろう?

アイツ、今どこにいるんだ?」



………誰が、こんなこと。