「あれ?違ったの?」



あっけらかんとする優里花さんに、あたしは脱力する。



「なんでそうなるんですか~」



「だって初体験のあとって、綺麗になるって言うし?」



これまたあっけらかんとして言うもんだから、あたしは頭を抱えた。



「違いますよ。ただ…」



「ただ?」



「もう子供じゃなくて、優斗さんはあたしを女として見てくれてるらしくて。


今まで優斗さんから見たあたしは子供なのかなって思ってた不安が無くなったんです」



そう言うと、優里花さんはニヤリと笑う。



そして、唇をそっと耳に近付けた。



「もう初体験も近いわね」



「えっ?!///」



過剰反応したあたしを面白そうに見つめる、優里花さん。



もう!
いじわるなんだからっ!!



やっぱり優斗さんのお姉さんだなと実感する。



「でも、あなたたちなら、きっと後悔もしないと思うわ」



「後悔…?」



なんの…?



「初めてを優斗に捧げてよかったってね♪」



なっ!!////



優里花さんーっ///



でも………



「杏里っ!ほら次の準備!」



優しく微笑む優斗さん。



「優斗さんっ//」



あたしは、その胸に顔を押し付けた。



「珍しいなっ。俺様がそんなに好きか」



うん。
あたしは後悔しない。


だって、あたしにとって優斗さんはあたしの精神安定剤で、欠かせない存在なんだから。