[完]大人の恋の始め方






「えっ!?楽さん!?」



ムカつくって、ムカつくって、あたしのことですかーっ?!



モゾモゾと出られるように、もがいてみる。



だけど、やっぱり男女の差。



「杏里ちゃん、そんなに俺がキライ?」



すこし涙で目を潤ませて見つめてくるのは、反則だ。




可愛すぎるっ!///



「きっキライとか、そういうんじゃなくてっ」



と、焦っていると、ドアが開かれた。



「困りますねぇ?誘導尋問だなんて、悪趣味だ」



優斗さんは、そのままあたしを引っ張り出した。



そして、後頭部が優斗さんの胸板に当たる。



規則的だけど、明らかに速い心拍音が、伝わってくる。



「困るのは、こちらの言葉ですよ。ノックも無しとは、とんだ社長様だ」




そんな憎まれ口を叩いてるのに、楽さんは目が優しい。



「さてと・・・、杏里!!!てめぇは、なんでいきなり居なくなんだよ!」




身体を回転させられ、優斗さんと向き合う。



「げっ」



来てくれたから忘れてた。


あたし、飛び出したんだっけ。


そりゃ怒るよねー・・・



「ごっごめんなさい・・・でもねっ」



「次、出てったら捜さねぇから」



冷たい言葉。


冷たい態度。



なんで?
全部あたしが悪いの?