[完]大人の恋の始め方




ホテルに戻るなりなんなり、優斗さんは、あたしを抱きしめた。



「えっ!!ちょっと優斗さん?///」


首に回った腕に、そっと手を沿え、振り向こうとした。



「このままで、聞いて?」



だけど、優斗さんに目隠しされ、本人を見ることが出来なかった。



このままって・・・集中して聞けないだろーがー!!!



・・・とは、思ったが、とりあえずウンと頷いた。



だけど、そこから一向に言葉を発さない優斗さん。



あれ?
見えなかったのかな?


でも、手を目に当ててるし・・・頷いたの分かったよね??



ちょっと不安になりかけたとき、ようやく優斗さんが話し出した。



「俺と奈緒のこと、全部聞いたのか?」



・・・何、ソレ。


あまりに気まずそうな彼の声に、あたしは戸惑った。


聞いちゃいけなかったの?
あたしに知られたくなかったの?


・・・もしかして、重いと感じてるの・・・・・・・?



「優斗さんの思ってる全部かどうかは、わかんない。でも、ある程度は聞いた」



ねぇ・・・?
貴方を知ろうとしたのは、イケナイことだったの・・・?


迷惑だったの・・・?



不安は、荒波のように、躊躇なくあたしを襲った。



優斗さんが、あたしの言葉にため息をつく。



その瞬間、不安が爆発した。