[完]大人の恋の始め方





「怒ってはないですよ?ちょっと不安にはなりましたけど・・・」


とりあえず、素直な気持ちを返してみる。



ここで見栄張ったって意味がない。



「ふ~ん。それで優斗に励まして貰ったわけか」


と、このタイミングで、飲み物とケーキが運ばれてきた。



二人で食べるにしても多い量だけど・・・奈緒さん一人で食べるのかなぁ?



「ここね、私の行きつけなのよ」


はい と渡された飲み物。



どうやらカプチーノらしい。


しかも、アートカプチーノだ。



可愛らしいウサギが描かれている。



「可愛らしいですね」



「ここの人はセンスがいいからね~。あ、ケーキも食べてね?」


あ・・・やっぱりくれるんだ。



「ここのケーキはね、もう最高なのよ?あ、甘いもの大丈夫?」



やけにテンションが上がって、しかも今更な質問をしてくる奈緒さんは、天然なのだろうか?



でも、そんな天然さも、癒し系な気がする。



「大丈夫ですよ!でも多いですね」



「そぉ?私いつもペロリだから大丈夫よ!」



ケーキ15個ペロリって、んなことあるの!?



と思いつつ、あたしはイチゴのタルトを戴く。



既に奈緒さんは、ショートケーキをほぼ平らげてしまっているから驚きだ。