[完]大人の恋の始め方





「……それに」



そこで甘い笑顔は、ニヤリと妖艶な笑みへと変わった。



ゾクリと鳥肌がたつ。



容姿端麗だからこそ、こんなにも綺麗に決まる。



「お前も俺じゃなきゃダメだろ?」



含み笑いが、妖しくて、それでいて魅力的。



こんな俺様なこと言われてるのに、ときめいている。



「当たり前…じゃんか///」



結局あたしは、こんなにも優斗さんに惚れ込んでるんだ。



真っ赤な顔をしていると、優斗さんに力いっぱい抱きしめられた。



なんか・・・ロリコンって言われてよかったかも。


こんなに優斗さんに、ぎゅうっとして貰えちゃったんだから。


そう思ったのは、ここだけの秘密。・・・ね?




次の日



あたしは、こともあろうに、フランスの小さなカフェに、一人で来ていた。



異国の地で、知らないカフェで一人ぼっちって、結構心細い。


「もうっ楽さんってば、自分から呼び出しときながら、遅いっ」



あたしは心細さから苛立ちつつあった。



そして音楽でも聞こうと、iPodとイヤフォンを出した。



「ゴメンね?遅くなって」



カレカノかな・・・?


楽さんも早くこーい!



近くで聞こえた女の人の声が、やけに羨ましい。



と、思った。