[完]大人の恋の始め方





奈緒さんが青い顔をして呟いた言葉―"ロリコン"



それを聞いた楽さんは、マズイと思ったのか、急に用事を思い出した。と、1番分かりやすく、かつポピュラーな言い訳を残し、彼女を連れて、退散した。



シン…と静まった玄関で、優斗さんの呟きが、自棄に大きな声に聞こえた。



一人間として、やっぱり"ロリコン"というのは、傷付くものだろう。



犯罪だし…。



「優斗さん、ごめんなさいっ」



あたしは気まずいながら、彼を見上げた。



すると、彼は驚いた表情で、あたしを見下ろした。


「え、なんで杏里謝ってんの?」



「だって…ロリコンって、あたしのせいで言われたんだもん。あたしがこんな老けてなければ…」



言葉の途中で、額に小さな痛みが走った。



どうやら優斗さんが、あたしの額をコツンとぶったらしい。



そして、ちょっと呆れ顔で


「自分を避難しない。ロリコンを気にしない」



「でも……」



ぶたれた額を押さえながら、反論しようとする。



しかし、できなかった。



彼が、あたしの口を熱で塞いでしまった。



短いソレが終わると、今度は甘い笑顔を見せた。



「俺は老けてようが、"ロリコン"だろうが、お前がいいんだよ」


「っ!!////」



急に飛び出る甘い言葉の、対処法を教えて下さい。


嬉し過ぎて、恥ずかし過ぎて、照れ過ぎて、心臓がどうかしそうです。