[完]大人の恋の始め方





入ってきた女の子達もまた、冷たい目をしている。


「この子たちさぁ、皆アンタに恨み持ってんのよね~。あ、あたしもその一人ね?」




フッと上がる赤い唇。



「でも…、春奈ちゃんは先生と……」




「はぁ?なに言ってんの?何だかんだでさぁ、先生もアンタの事好きなのよねぇ。


もともとは、あたしが先生を脅したのよ。バラしてあの子が不幸になってもいいの?ってね」




なにそれ…。



「アンタもバカよねー。あんな演技に騙されて」



あたしは、自分の拳をギュッと力を込めた。




「あっれ~?怒ってるのー?」



今度は、違う女の子…、確か紗耶香ちゃんが、あたしの顔を覗き込む。



紗耶香ちゃんは、凄いギャルっぽくて、凄い女代表的な子。



「でもねぇ、怒りたいのは紗耶香の方なんだよね~!紗耶香さぁ、ず~っと響の事好きなのに、なぁ~んでアンタがいつも居る訳ぇ~?」



付けまつげバサバサの目で睨まれ、あたしは後ずさる。



女の子って怖い…。



よく聞く言葉だけど、今痛感した。



「ねぇ、綾香もなんか言いなよ~」



綾香ちゃんは、初めて話す子。


余り目立たなくて、関わりがない。



「じゃあちょっと言おうかな」



あ…、あれだ。
仲間がいると強くなるタイプだ。