[完]大人の恋の始め方





そう言うと、響くんは目を大きく見開いた。



「その可能性、無くもねぇな」



「心美にメールしてみようか?」



すると響くんは素早く携帯を取り出し、誰かに電話をかけた。



たぶん相手は…



「あ、もしもし。心美か?…おう」



やっぱり。


行動が早いね。



あたしは響くんにバレないように、クスリと笑った。



その間、あたしはクラスメートに話し掛けられた。



「杏里ちゃんっ!今回のカタログ見たよっ!杏里ちゃんめっちゃセクシーっ!!」



きゃっきゃ騒ぐ彼女達に、とりあえず愛想笑いを返す。



「ありがとう…。わざわざ本屋で買ってくれたの?」



「もちろんっ!ウチら、みんな杏里ちゃんのファンだもーんっ」



とっても光栄なこと。



だけどモデルとしての意識が低いのか、あたしはこういう時困ってしまう。



「それに友美もすごいよね~っ!読モで大活躍っ」


今度は友美が出ている雑誌を出してニンマリ。



その表紙は、友美と沖田 美麗だ。



そういえば、あのパーティー以来会っていない。



「美麗ちゃんも可愛いよね~っ!憧れるっ!!」



へ~。
ああゆうのに憧れるんだぁ。



何だか友美以外の女の子と話すのは新鮮な気がした。