「ふっ。何歳になってもやっぱり"あーん"はヤバいな…///」
「ヤバい?」
恥ずかしいって事かなぁ?
「前屈みになって、胸の谷間が見える」
ニヤリと笑う彼に、あたしは失笑した。
コイツ、最低だわ。
「まぁ、半分は嘘」
そう言いながら、自らのパスタをフォークに絡める。
「嘘って?」
あたしが尋ねると、ふっと口角を上げて、そして。
フォークを目の前に出された。
あたしはそれに緊張しながらも、パクリと口に含んだ。
……美味し~。
「なんか、緊張はするけど、味を共有してるみたいで、幸せじゃね?」
と、私の口付けたフォークを舐めとる彼。
妖しい笑みと、妖艶な舌。
その全てが、あたしをドキリとさせた。
「まぁ…言われてみれば…」
「親密な関係だからこそだろ?」
あーんという、一つの動作から、そんな事まで考える優斗さんって、一体…。
そう思いながらも、あたしはパスタを完食した。
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「ふーっ美味しかったぁ」
部屋に戻ると、あたしはソファーに寝転んだ。
「んなすぐに寝たら、牛になるぞ?」
自分で言っときながら、その言葉に笑う彼。
あんたは子供ですか?!って感じ。

