[完]大人の恋の始め方





「ったく。笑い過ぎだっての」



フンッと不機嫌な態度を取るけど、耳が赤いから可笑しい。



でも、これ以上笑うと本当に怒っちゃいそう。



あたしは必死で笑いを殺した。


「じゃあ、あたしはボンゴレパスタで」



そう言うと、優斗さんはピザとパスタ、それからアボカドのサラダを注文した。



「アボカドのサラダ、好きなの?」



「まぁな。ここのは絶品」



自慢げな表情を見る限り、本当にここのサラダが好きらしい。


「それは楽しみだなぁ~っ」



そう言っている間に、アボカドのサラダと、パニーニが運ばれてきた。



心なしか優斗さんの顔が幼く見える。



無邪気なところが本当に可愛い。



取り分けたサラダを頬張る姿なんかは特に。



いつもは大人のくせに。


そうゆうギャップに女の子が弱い事を知っているのだろうか?



「ホラ、杏里も食えよ」


「あぁうん。」



口にサラダを運ぶと、ふわーんと優しい味が口一杯に広がる。


「うん!美味しいっ」



そう言うと、満足したように笑顔になる優斗さん。



「俺が薦めてるんだからマズイわけないだろ」



出たよ。
俺様系優斗さん。