始業式を明後日に控えた今日、あたしはリビングの掃除をしていた。


と、言っても優斗さんも結構、几帳面だから、そんなに散らかってはいないのだが。



でも、こんな広いマンションの最上階で、ジッとはしていられない。



落ち着かないのだ。


「ほんと、綺麗だなぁ…」



あたしは、ため息を尽きながらソファーに座り、テレビを付ける。



優斗さんは、今日ドラマの撮影らしい。


ヘアーメイクリストさんも、芸能人並に忙しそうだ。



何もやっていないテレビ。


適当に回していると、ある女性が写った。



「あ、ありすちゃんだ…」



どうやら映画の告知らしい。


でも、そんな告知になんて耳にも入らない。



この人を見て思い出すのは、あの告白現場だ。


一体、誰といたのか。
誰に告白したのか。


気になるところだ。


そんな事を思いながら見ていると、前の映画がテレビで放送されるようだった。



その映画は、あたしが見たかった恋愛ものの映画。


主演は、ありすちゃんが演じている。


あたしは、その映画に食い入った。



だいたい3年ほど前の映画。


しかし、ありすちゃんの演技は、かなり上手で、終わる頃には、あたしの涙が大洪水を起こしていた。