[完]大人の恋の始め方






ムスッとして優斗さんを見れば、流石にまずいと思ったのか、咳ばらいをして笑いを抑える。


って、遅いけどね?



「まぁー…、その…、すまん」



何がだぁーっ!!!


「何をそんなに笑ったわけ?」



思い出し笑いを堪えているのか、表情筋が妙にヒクヒクしている。



「杏里が悪いんだぞ?メニュー見た途端に子供みたいに笑顔になってよだれ零して」



ぶっ!!!


と、吹き出す優斗さんをギロリと睨む。



要するに、あたしの顔が変だったと言いたいわけだ。



ふーっん。



そんなあたしの表情でさえ、優斗さんは肘をついて、ニコニコと見てくる。



「そんなに見られると、恥ずかしいんだけど//」



ホラ。
そうやってキラキラな笑顔を見せて。



「でも、これからはもっと緊張するんじゃね?」



あたしを見るのをやめて、メニューに目を通す。



「え、なんで?」



逆にあたしは、メニューから目を離して優斗さんを見る。




すると、メニューに目を向けたまま、ニヤリと笑う優斗さん。


スーツを着ているせいか、いつもの何倍も妖艶で。



「なんでって、そりゃ夜の営みがなぁ~」



カァァァァッッ////



「何言ってんのよ、バカッッ!!!」