「おっお願いします///」
と、ソファーに座る。
「なに今更緊張してんだよっ」
笑い混じりに、そう言うと、メイク箱を取り出す。
「きっ緊張なんて、するわけなんもんッッ」
なんて言うけど、実際はかなり緊張する。
仕方ないんだよっ。
だって、優斗さんの真剣で綺麗なその瞳に見詰められたら、誰だって心臓バクバクだ。
それが彼には分からないのか。
「ほら、出来たぞ」
でも今日は特別で、緊張という言葉では表せないほど緊張した。
そのせいか、メイクが終わった事すら気付かなかった。
鏡を渡され、そっと覗く。
「うっわぁ…」
鏡の中には、ゴールドメイクで華やかになったあたしがいた。
さすが優斗さんだ。
「ほんと優斗さんって、その人を輝かせるメイクするよねー」
笑顔でそう言ったら、彼はキョトンとして、どこか安心したような表情を見せた。
そして、隣に無言のまま座ると、そのまま引き寄せられるように、短いキスをした。
急な事と、優斗さんらしくない行動に、ちょっとだけ戸惑いの色が出る。
それが優斗さんに伝わったのか、ふっと笑い、あたしの頭を撫でた。