コーヒーを置いて、不思議そうに首を傾げる。
「はい。実は、あたしの昔の恋愛の話をした事があって。その時は、自分は彼が好きだって思ってました。でも…、」
そこで言葉が切れると、話を催促するように首を傾げる。
「でも?」
「違ったんです。あたしが思っていた恋は、優斗さんからみたら"子供の恋愛ごっこ"だと言われました」
そこまで言って、優里花さんに目を向けた。
すると、目を細めて、笑いを必死に我慢しているよう。
なんで…?
「優里花さん…?」
どうしたんですか。という意味を込める。
すると…
「もぉっムリっ………あははっ!!!」
お腹を抱えて笑う優里花さんは、明らかにいつもの上品な優里花さんじゃない。
あたしはただ呆然と、優里花さんの笑いが収まるまで待つしかない。
暫くすると、落ち着いたのか、目尻に浮いた涙を拭き、息を整える優里花さん。
「ふーっ。ゴメンねぇ?」
手を合わせる優里花さんだが、まだ少し笑いが入っている。
「大丈夫ですけれど、なんでそんなに可笑しかったんですか?」
優里花さんは再び、ハンカチで口元を押さえ、笑いをこらえる。

