[完]大人の恋の始め方





「お忙しかったですか?社長」



最近気付いたのだが、優里花さんは、あたしがモデルやっている会社の社長さん。



優里花さんなんて呼んでいいのか迷い、一応社長と呼んでみた。



「なぁに~?いきなり社長だなんて~」



優里花さんには、目を細めて笑われてしまった。



「一応社長と呼んだほうがいいかと思ったんですけど…」



そう言えば、優里花さんは爆笑した。



「ふふふっ!うちの社員は、皆優里花さんって普通に呼んでるわよ~」



あ。確かに。


撮影の時も、社長って単語聞かないかも。



「えへへ。じゃあ優里花さんに戻します!」



「ふふふっ。その方がいいわ。で、どうしたの?」



優里花さんが、ソファーへ促してくれる。



「あの、実は……」



そこまで言って、あたしは顔を赤くした。



優里花さんは、そんなあたしを見守ってくれる。



「実は…優里花さんに相談があるんです」



手汗をかく手に、さらに力を入れる。



「優斗のこと?」



「ふえっ?!///」



あたしの反応を見て、楽しむような優里花さん。



「ご明答…かしらねっ。」



フフっと、面白そうな優里花さん。