【次の日】



「それ、完全に付き合いたてのカップルじゃん」



あたしと友美は、屋上へと繋がる螺旋階段に座っている。


あたしは友美に朝から、自分のこの気持ちがなんなのか、確かめるために土日にあった事を話していた。



「付き合ってないよっ」



手をブンブン横に振るあたしを見て、呆れたようにため息をつく友美。



「アンタ、まだわかんないわけ?」



「まだって何?」



そう言えば、完全にうなだれてしまった友美。




あたし、そんなに変な事、言った?



自分で今の会話を思い返すけど、まるで分からない。



「杏里ってさぁ…なんて言うか……どうしようもない子だね」



ガーン…。



どうしようもない子って言われちゃったよっ!


どうするよ、あたし。



「どうしようもないなら、どうにかしてよー」



もう頼るしかない。



泣き付くと、友美はうざったそうにあたしを押し退ける。



…とうとうあたし、嫌われた?



シュンとすると、友美は言葉を続けた。



「ったく。暑いのよ。何月だと思ってるの」



あ。
そうか…。


気付けばもう7月も近い。


暑がられても仕方ない。