「はうーっ!」
家に着くと、あたしはソファーへと身を投げた。
「ほらっ」
優斗さんがオレンジジュースを渡してくれる。
「ありがとー」
渇いた喉に、オレンジジュースをぐびぐび通す。
「今日はがんばったな」
そう。今日は13時間も撮りました。
疲れ過ぎました。
おかげさまで脚は、パンパンにむくんでる。
「でも、あんなにたくさんのドレスを考える優里花さんも凄いよね」
ほとんど飲み終えたグラスを、見つめながらしみじみと考えた。
「姉貴は、それが仕事だしな」
そう言いながらあたしの隣に座る。
ドキッ…
近付くと、昨日のキスを思い出す。
思い出す自分が恥ずかしい。
「何赤くなってんの?」
目の前にVネックから覗く鎖骨が広がる。
ビックリ顔を上げると、右の口角を上げ、意地悪そうな笑みをした優斗さん。
離れようとして、身体を押したが、逆に後頭部を捕まれて、僅か2cmまで近付いた。
息を呑む。
「ふ~ん。昨日のキスで意識してくれた?」
ニヤリと笑う優斗さんに、つい見惚れてしまう。
「優斗さんはずるいです。」

