友美side



「ほら杏里動くなっ」


彼の指が目に綺麗にラインを入れる。



さすがプロだ。



優斗さんの手元に魅入ってるのは、ご存知友美だよ~!



今日は杏里と遊ぶから、優斗さん家でメイクをしているんだけど………。



目の前には、付き合う寸前の美男美女。



二人を見てると、昨日を思い出す。



ガッツリ抱き合っちゃって、二人の世界に入っちゃったし。


まあ、元に戻れて良かったとは思う。



心と今日は二人で杏里を弄りたかったけど、心は生憎の撮影。


ちょっと残念。



そんな事を思ってる今も、二人はイチャイチャ。



友がいること、分かってるのかなぁ?



なんて思うけど、一方であんなに男嫌いだった杏里が、男の人と笑い合ってるのを見ると、嬉しくなる。



ちょっと妬けるけどね。



あー、友も彼氏ほしー…。



なんて思いながら付けまつげをつけようとする。



すると、友の指が捕まれた。



犯人は………優斗さんだ。



親友の好きな人を取るような趣味は無いが、優斗さんはずるい。



カッコイイからつい、ときめいてしまう。



その都度、心の中で杏里に謝るのだが。



「ちょっとラインが…」